成人式は、その年に成人年齢を迎える人をお祝いするための式典で、毎年1月第2月曜日の「成人の日」に、地方自治体の主催により開催されます。
この日は、大人になったことを自覚する節目になる日です。また同時に、生まれ育った場所で成人式を迎える人は、同級生と久しぶりに再会する機会になるでしょう。そんな大切な成人式を「良い思い出にしたい」と願う気持ちは皆一緒です。
そこで、成人式に向けた準備の中でも悩みやすい、服装とマナーについて解説していきます。「振袖じゃなきゃだめなの?」「振袖だったら、何を選んだら良い?」「振袖を着たときのマナーは?」などの疑問も解消!
この記事を参考に、一生に一度しかない成人式を楽しい思い出にしてくださいね。
成人式に参加する際の服装は、厳格に定められていません。そのため、基本的に何を着るかは自由です。とはいえ、成人を記念する「式典」なので、フォーマルな服装がふさわしいでしょう。
一般的には、男性は紺色やグレー、黒色のベーシックなカラーのスーツや紋付の袴、女性は赤色や青色の定番カラーから、緑色、黒色などの個性的なカラーまで、さまざまな振袖が選ばれています。
成人式の女性の一般的な服装である「振袖」を着る人の割合は、9割に上るといわれています。ほとんどの新成人が振袖を選んでいて、ダントツの人気を誇っているのです。
成人式に振袖を着る理由の一つは、明治以降に振袖が未婚女性の「第一礼装」として広まったからです。人の一生の中で行われる儀式を「冠婚葬祭」と言いますが、成人式はこの中の「冠」に当たります。「冠」は「元服」の意味で、古来の日本では成人になったことを示す儀式です。
このことから、成人式に第一礼装である振袖を着て、気持ちを新たにするという意味が込められています。さらに、大人として振袖を着た姿を家族に見せることで、これまで育ててくれた感謝を伝える目的もあります。このような理由から、振袖は、成人式の定番の服装になったと考えられています。
成人式の服装で人気の高い振袖ですが、着物を着たことがないほとんどの人にとっては、どのように選んだら良いか分からないことも多いのではないでしょうか。
そんなときに役立ててほしい、振袖を選ぶときに大切なポイント3つをご紹介します。
身長や体型によって似合う洋服が違うように、振袖にもそれぞれに合う色や柄があります。ポイントを押さえておくと、振袖が選びやすくなりますよ。
身長の高い人は、①はっきりした色、②柄が大きい、この2つの振袖が似合います。
①は、長身をより引き立たせて、スタイリッシュに見せることができます。②は、身長が高い分、柄が出る面積が縦に広いので、より存在感のある着こなしになります。
身長が低い人のポイントは、①全体的に淡い色、②柄が小さい、の2つです。
小柄な人は、着物の面積が少ないのが特徴です。そのため、①②の着物を着ても寂しい雰囲気にならずに、着こなすことができます。
細身の人は、淡い地色の振袖を選ぶと、シャープな体型をやわらかくカバーしてくれます。また、柄が横に広がっているデザインも、広がって見えにくいので似合いやすいでしょう。
ふくよかな人は、ダークカラーであることに加えて、斜めの柄が入っている振袖が全体を引き締めてくれます。柄の量も控えめな方が、よりすっきり見えるでしょう。
パーソナルカラーとは、持って生まれた肌や瞳、髪などの色を元に、似合う色を診断する方法です。肌の色が黄み寄りなら「イエローベース」、青み寄りなら「ブルーベース」と診断されます。
イエローベースは、全体的に暖かみを感じる色が似合うのが特徴です。例えば「水色」の場合、鮮やかな水色ではなく、緑がかった「アクアブルー」がイエローベースの色です。ブルーベースなら、寒色系のカラーが得意です。例えばピンクでも、ローズピンクのような少し紫みの色が似合います。
このように、2つのカラーベースから、どのような色が合うのかを細かく見ていくのが、パーソナルカラー診断です。振袖を選ぶ際に利用してみるのも良いでしょう。
パーソナルカラー診断はネットで公開されています。質問に答えていくだけで、自分で診断できます。もし自分では難しいと感じたら、百貨店や美容院、ビューティーサロンなどでも行っている場合があるので、足を運んでみてください。
いきなり着物を見て振袖を選ぶと、種類が多くて悩んでしまうこともあります。自分が納得して選んだ振袖を着るためには、事前にカタログなどを見て、なりたい姿をイメージしておきましょう。どうしても譲れないポイントやこだわりがあれば、この時点ではっきりさせておくと選びやすくなりますよ。
具体的にイメージしておくと良いことは、
・色(赤系、青系、ピンク系など)
・柄(古典柄、モダン柄、無地など)
・かわいい系
・クール系
などです。
実際に店舗に行くと、たくさんの振袖があります。それらをすべて試着することはできないので、ある程度イメージを決めておくと、時間を有効に使うことができます。
振袖の選び方のポイント3つをお伝えしましたが、最後は試着をして実際に顔映りを見ることが大事です。似合わないと思っていた振袖が「意外に似合う」と発見できたり、反対に好きな色柄でも「思ったより似合わない」と気づけたりすることも。また、着物のプロのアドバイザーがいれば、自分の魅力を引き出す選び方を教えてくれるので、相談してみるのも良いでしょう。
成人式の服装で多いのは振袖ですが、もちろんそれ以外でも問題ありません。その場合は、華やかなワンピースがおすすめです。素材がエレガントで、丈は膝より長いとフォーマルな印象になり、成人式にふさわしい装いになります。他の人とは違う服装をしたいときや成人式が夏に行われる場合にぴったりです。
ワンピースは、成人式の2次会でも活躍します。式典では振袖を着る予定でも、2次会では「振袖を汚したくない」「楽な服装で思いっきり楽しみたい」と感じる人も。そんなときは、ワンピースに着替えましょう。振袖姿とワンピース姿の両方の写真も撮れて、良い記念になりますよ。
成人式に安心して着て行けるワンピースやアクセサリーを探すなら、こちらのサイトをチェック!
種類も豊富なので、お気に入りがきっと見つかります。
振袖が決まったら、いよいよ成人式当日を迎えます。普段着なれない振袖を着て外出するのは、思った以上に大変と感じることもあるかもしれません。
そこで、当日に役に立つ振袖着用時のマナーをご紹介します。
メイクや髪型には、特に決まりはありません。とはいえ、第一礼装の振袖を着て式典に出席するので、それに合わせたメイクや髪型にすることが大切です。
メイクは、振袖の色や柄に合わせて、いつもより華やかにすると振袖との釣り合いが取れます。しっかりメイクでも、振袖に存在感があるので、負けてしまうことはないでしょう。
髪型は、髪をまとめて上げるアップスタイルが主流です。振袖は後ろの襟を開けて着るので、襟足が見えます。アップスタイルが選ばれているのは、襟元をきれいに見せられるからでもあります。
振袖を着たら、歩幅を小さくして歩きましょう。足先は、軽く内股か真っすぐにすると、きれいに見えます。大股で歩くと着崩れの原因にもなるので、注意してください。 階段の上り下りでは、袖や裾を引きずってしまうことがあります。階段を使う際は、次の方法を覚えておきましょう。 ①両方の袖を重ねて左手に掛けます。 ②右手を自然に伸ばした位置で着物を優しくつまみ、裾が少し持ち上がるぐらい引き上げます。 こうすると、大切な振袖を汚すことなくきれいに保てますよ。
椅子に座る際に注意したいのが、袖を引きずらないことです。成人式でも着席する場面があると思いますが、振袖を着てそのまま座ると袖が床に付いてしまいます。そんなときは、両方の袖を重ねて膝の上に乗せると、見た目もきれいに座れます。
また、車に乗る際は、腰を座らせてから足を乗せます。降りるときはその逆で、足を出してから、最後に腰を上げるようにしましょう。足から乗ると裾の動きが大きくなり、着崩れの原因になります。