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浴衣の正しい着方とマナー

日本伝統の夏の衣装といえば浴衣。夏祭りや花火大会などのイベントに浴衣を着て出かけたいという方も多いのではないでしょうか。その一方で着方が難しそうと、浴衣を着るのをためらう人も少なくありません。そこで、浴衣の基本的な着方や、着るときのマナーなどについて簡単にご紹介します。マイ浴衣デビューをお考えの方は、ぜひ参考にしてください。

目次

  • ■浴衣の着方 キホンは「右前」
  • ■男女別 浴衣を着る手順
  • ■浴衣着用時のマナーとは
  • ■女性に人気な浴衣を紹介
  • ■三松でマイ浴衣デビューしませんか

浴衣の着方 キホンは「右前」

浴衣を着ようとしたとき、衿の重ね方に迷ったことはありませんか?浴衣を着るときに覚えておきたいポイントとして「右前」があります。「右前」は右の衿が下になるということ。「身体」<「右の衿」<「左の衿」 という順番です。右前と言って左側が上になるため混乱してしまいがちですが、相手から見てアルファベットの小文字のy状態になっていれば大丈夫と覚えましょう。右利きの人であれば、懐にさっと右手を差し込めるようになっていればOKと覚えておいてもいいかもしれません。

洋服のボタンの位置は、男性は左が上、女性は右が上と逆に付けられています。一般的に右利きの人が多いため、男性の場合は利き手でボタンが留めやすいように左が上に作られているのが理由です。女性の場合は、13~14世紀ヨーロッパではボタンが付いている洋服は上流階級の貴族が着るものとされていました。貴族は使用人に服を着せてもらっていたため、使用人がボタンをかけやすいように右が上に作られたと言われています。

では、和装はどうでしょうか。和装にはボタンはありませんが、衿を合わせるときに右側と左側のどちらが上になるかという違いがあります。右側を上にして合わせるのを「左前」(ひだりまえ)と言い、左側を上にして合わせるのを「右前」(うわまえ)と言います。日本では、1300年以上前の奈良の時代に衣服令(えぶくりょう)という法令の中で男女を問わず右前に着ることが定められました。左前で着ることは、亡くなった人に着せる死装束を意味します。ここをうっかり間違えてしまうと、縁起の悪い着方になってしまうので、しっかり理解しておきましょう。

男女別 浴衣を着る手順

衿の重ね方は男女で変わりありませんが、襟の重ね方以外では男女で着方が異なる部分があります。次に浴衣の着方を男女別に紹介します。

女性浴衣を着る手順

  1. まず浴衣を羽織り、背骨に浴衣の中心を合わせます。
  2. 衿先を左右それぞれに持って、裾がくるぶしのあたりにくるように浴衣を持ち上げます。
  3. 衿先を持ったまま右手を左の腰骨方向へ移動し、右手を外しながら、衿先を持ったまま左手を右の腰骨方向へ移動します。
  4. こうして浴衣の左右の前身頃を重ね合わせ、腰骨の上あたりに腰ひもを巻いて固定します。
  5. 腰ひもで浴衣を固定した状態では布にしわが寄っているので、浴衣の両脇下の空いているところから手を入れて、前後のおはしょりのしわを伸ばして整えます。「おはしょり」とは、腰のあたりを一旦腰ひもで固定した後に布を折り上げ帯の下側に折り山を出して、浴衣をちょうど良い丈にする着方です。
  6. おはしょりを整えたら、衿元を喉のくぼみのあたりで合わせ、衿元が緩まないようにコーリングベルトを締めます。
  7. 胸の下あたりに伊達締めをあてて、伊達締めの両はしのひもを背中で交差させて前で結びます。
  8. 伊達締めの上から帯を巻きます。帯の結び方には様々な種類がありますが、よく使われるのはリボンのような形の「文庫結び」です。

上記で説明した浴衣を着る方法を、写真や動画でさらに詳しくご覧になりたい方は、こちらの「一人で着られる!自分でできる!浴衣の着方」をご覧ください。

浴衣をキレイに着こなすときに使用するもの

浴衣を着る際に着崩れを防ぐ小物を使います。使用する小物とその特徴をご紹介します。

腰ひも・胸ひも・仮ひも

「腰ひも」「胸ひも」「仮ひも」と呼び名は違いますが全て同じものです。着物の着付けにかかせない和装小物のひとつで、長さが2メートル、幅が4~5センチのモスリン素材の腰ひもが一般的に使われています。

メッシュマジックベルト(伊達締め)

メッシュマジックベルトは、伊達締めとも呼ばれています。マジックテープでとめられるようになっているので付け外しが簡単にできます。メッシュ素材でできており、熱がこもりにくい特徴があります。

コーリングベルト

衿をとめてはだけないようにする小物です。浴衣の脇部分が空いているかと思いますが、そこから通して左右の衿をとめます。衿の位置がちょうど良くなるように、長さを調整する必要があるのですが、とめる位置が少し難しいので、付ける練習をするといいでしょう。

メッシュ前板

前板とは、帯をキレイにみせるための小物です。帯を巻くときに前板を挟むことで、凸凹にならずに済みます。また、帯が締まりすぎるのを防いでくれるので、苦しくなりにくくなります。帯の部分は布が重なる分どうしても熱がこもってしまうため、夏に着る場合はメッシュ素材の前板がおすすめです。

サザメ

自分で帯を締めるときに便利なのがサザメです。サザメの上で帯の形を作ってから巻けるので、背中に手を回しながら形を作る必要なく、帯の形をキレイに作りやすくなります。また、サザメが土台となるので帯が崩れにくくなります。

その他に浴衣を着るために必要なものは「ゆかたを着るのに必要なアイテムリスト」のページでも詳しくご紹介していますので、準備をするときの参考にしてください。

男性浴衣を着る手順

  1. 浴衣を羽織り、背面の中央にある縫い目を背骨に合わせます。
  2. 浴衣の背面の中心が決まったら、衿先を持ったまま右手を左腰骨にあてます。
  3. 右手を外しながら、衿先を持ったまま左手を右の腰骨にあてます。
  4. 右前になるように浴衣を巻いたら、おへその下、腰骨のあたりで腰ひもを結びます。腰ひもは、帯を巻く前の仮止めなのでゴム製のベルトなどでも代用可能です。
  5. 腰ひもを結んだら浴衣のシワを伸ばします。
  6. 腰ひもの上から帯を巻きます。男性の帯の結び方で最もポピュラーなのは「貝の口」です。シンプルながらきりっとした清潔な感じに仕上がります。

男性の浴衣は腰ひもや帯で丈を調整することが難しいので、初めから自分のサイズにあった浴衣を選んでおきましょう。

浴衣着用時のマナーとは

浴衣を着るときには、マナーがあります。より浴衣姿をキレイにみせるポイントでもありますのでぜひ取り入れて、きれいに浴衣を着ましょう。

和装用の肌着や下着を着用する

浴衣を着る季節は、汗ばむこともあるでしょう。そのため、肌着は暑いから着たくないと思われるかもしれません。ですが、浴衣が直に肌に触れると布と擦れたりくっついたりしてキレイなシルエットが保ちにくくなります。肌着を1枚でも着ておくことで、着崩れが防げます。

ロングスカートを履いたら肌にくっついて歩きにくかったことはありませんか。そんなとき、ストッキングやタイツを履いておくと、布がくっついたり絡まったりせずに歩きやすくなります。浴衣でも同様に、浴衣用の肌着を切ることで快適になるでしょう。和装用の肌着なら、肌に貼り付かず汗もしっかり吸収してくれます。膝くらいまで丈があるので、腰回りも着心地がよいでしょう。

また、下着はぜひ和装用のものをおすすめします。洋装の場合は、ウエストラインが締まった体形が良いとされていますが、和装では寸胴に魅せた方がキレイです。また、胸も鳩胸の方が良いことから、バストラインを和装用に整えてくれる専用のブラジャーを使いましょう。

肌着は目立たないようにする

浴衣の衿もとはV字になっています。和装用の肌着ではなく、キャミソールやTシャツなどで代用していると衿元から見えてしまうでしょう。また、うなじをきれいに魅せるために後ろの衿に空間を持たせます。そこから肌着が見えてしまうと、どうしてもきれいには見えません。

気にならないという方もいるかもしれませんが、細部までこだわりたい方は、きれいに浴衣を着るためには専用の和装用の肌着を使用しましょう。

肌着を持っていない場合は、なるべく見えにくい肌着を着るようにするなど工夫してみてください。

所作は丁寧かつ小さめにする

浴衣のような和装は、特別な日にだけ着るという方もいるでしょう。そこで気にしたいのが所作です。所作は正しく行うことで、見ていて美しいだけでなく、浴衣の着崩れや汚れを防ぐことができます。例えば、浴衣はきちんと着付けていても動いているうちに衿が開いたり、裾が広がったりと着崩れてきます。階段を上り下りするときは足を開く必要が出てくるので、体を斜めにすると普通より少しだけ足を開かずに上れるようになり着崩れの防止になります。

お手洗いのときは、裾を持ち上げたりすることもあります。そうした所作は慣れていないと難しい場合があるので、できるだけ歩くときには、右手で着物の上前の右のもものあたりを軽く押さえるなど、前もって練習しておくとに二重マルです。また、できてしまったシワや崩れた襟元の直し方など、動いてみないと分からないことも知っておくと、着ている間は美しいシルエットが保てますよ。

浴衣で出かけるときの持ち物

浴衣を着て出かけるときには、巾着や小さめのカゴのバックなどに荷物を入れるのがおすすめです。浴衣を着たときにあると便利な持ち物をご紹介します。

扇子・うちわ

浴衣を着ていて汗ばんだときでも、扇子やうちわであおぐことで、いつでも涼むことができます。巾着やバッグに入れて持ち歩くのもいいのですが、胸元の帯のところに差し込んだり、うちわなら背中の帯のところに差し込んだりして携帯することもできます。

絆創膏

浴衣を着たときの履き物は下駄が一般的です。下駄は鼻緒と肌があたる部分が痛むこともあるので、鼻緒ずれが起きたときのために絆創膏を持っていくと良いでしょう。最近では柔らかい鼻緒の下駄もあるので、鼻緒ずれを起こしやすい方は、肌に優しい鼻緒の下駄に買い替えを検討してみてはいかがでしょうか。

ハンドタオル

浴衣の帯が緩んできたときに、さっと挟めるハンドタオルなどがあると、それ以上着崩れするのを防ぐことができます。もちろん汗を拭くことにも使えるので1枚持っていると何かと便利です。

女性に人気な浴衣を紹介

ここでは、三松オンラインストアで購入できるおすすめの浴衣を紹介します。

大人モダンでレトロな黄色地の浴衣

レトロ柄は2021年も人気のデザイン。黄色の浴衣に大胆な茄子の花をあしらったのが「はまなす」です。衿や裾などにはストライプが入っているので、レトロながらカジュアルに着こなせるのが特徴。帯を指し色にすると、洗練されたイメージになります。

ピンクの朝顔柄が特徴の浴衣

モノトーン地にピンクの朝顔が咲き乱れる柄の浴衣です。落ち着いた色合いとかわいらしいピンクの組み合わせが、シックにもキュートにも映ります。アップヘアにするとキレイめに、おろし髪アレンジにすればフェミニンな雰囲気にもできるので、シーンに合わせて着こなせます。

独創的なデザインが特徴の水色の浴衣

ターコイズ色の生地にストライプが入っている浴衣です。それだけならよくある柄かもしれませんが、袖部分にアネモネの花を大胆にあしらっているため目を引きます。明るい水色に色味を抑えたアネモネが独創的です。小物をモノトーンで揃えてみたり、派手な色を取り入れてみたりと遊び心がくすぐられるデザインです。

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